薪について考えるー2

再生可能エネルギー考

薪に関する法律

薪ストーブを持ちたいと考えていたところに、薪ストーブの難点についての記事を読み、以前の「薪について考える」でも書きましたが、その事情を探っているところであります。今回は、「薪の生産」について考えてみたいと思います。言葉が正確ではないかも知れませんが、薪を燃料として使う条件を満たす、ふさわしい状態にすること、などについて述べてみます。

管理人が、薪ストーブについて考えさせられた Web・The Guardian ガーディアン誌の記事を手繰っていきますと、英国で薪に関する法が施行されるようになったとの記事がありました。薪を使うのに際し、肝となることがありますので見てみましょう。記事は、Web・The Guardianの「イングランドにおける、家庭用の石炭と未乾燥の薪への規制が施行」と題される2021年の5月1日の記事です*1。

管理人が記事の中で注目した点は、この規制は、政府の大気をクリーンにする政策の一環であり、石炭、未乾燥の薪は、2m3(1辺:1.25mx1.25×1.25)以上での販売となり、使用前の乾燥についての注意書きを添付して販売しなければならない、というものです。

*1 House coal and wet wood restrictions come into force in England
—Wood stoves and open fires a big source of PM2.5, identified by WHO as most serious air pollutant for human health;
by Guardian staff and agency

House coal and wet wood restrictions come into force in England
Wood stoves and open fires a big source of PM2.5, identified by WHO as most serious air pollutant for human health

この記事から判ることは、販売されている薪は、未乾燥であるということです。この記事の中では、wet wood と表現されています。これは、伐採されて間もなく店頭で販売されているということを意味します。

販売に際し「注意書き」を添付しなくてはならない、ということなので、この文章を入手できるのかググって見ました。すると、以下のようなPDFの文章が、グーグル検索のトップに出てきます。すると、英国政府の環境・食糧・農村地域省 (Department for Environment, Food and Rural Affairs) のパンフレット的な文章がヒットします。関心在る方はググってみてください。

https://uk-air.defra.gov.uk/assets/documents/reports/cat09/1903131256_Seasoning_Wood_Web_Feb_2019_V5.pdf

注意書きの要点は、「薪を乾燥させてから使いなさい」ということです。当然、乾燥ってどのくらいよ?と思いますよね。それによると、屋根や覆いの下で、少なくとも12ヶ月 (あるいは2回の夏) を経過させれば、水分 moisture を20%ぐらいにまで落とせる、とあります。この「20%」が、基準とされて、これ以下のものが乾燥薪 seasoned wood となっています。当然、乾燥させている土地柄の気候、あるいは樹木の種類などによって乾燥の度合いは異なるとあります。

注意書きは抜け穴?

このThe Guardian誌の記事の前年に、この規制に関する記事があり、やはり、次のような記載がありました*3。
「・・・若木あるいは未乾燥薪として知られているものは、袋などに入って売られていて、DIYショップや園芸センターなどで、安価で手に入りやすい。英国の250万ほどの世帯がこの未乾燥薪や石炭に頼っていると見積もられている。」

*3 Coal and wet wood burning: how will restrictions work? —Everything you need to know about the phasing out of the polluting domestic fuels in England, by Jonathan Watts

Coal and wet wood burning: how will restrictions work?
Everything you need to know about the phasing out of the polluting domestic fuels in England

Watts記者によれば、伐採間もない木材が、薪として店頭に並んでいるということです。で、一方高価な薪も販売されていて、水分20%以下の薪 seasoned log は、熱効率もよく、きれいに燃焼し、ストーブの手入れも少なくて済む。燃焼しているときの音も違うそうです。未乾燥の薪は、シュッシュッといった音であるのに対し、乾燥済みのそれは、パキッ、カキッ、といった爆(は)ぜる音がするそうです。そして、文脈からすると、毒性のあるPM2.5は未乾燥の薪から出るということで、乾燥薪ではそれが減少するようです。

また同氏によれば、この規制は、抜け穴的措置であるとも言っています。つまり、安価である未乾燥薪は2m3以上の分量なら、法施行後も購入できるわけです。注意書きが添付はされてはいますが、実行は各市民に任されているわけです。乾燥薪のみの販売制度にすれば、PM2.5 の排出量をもっと効率的に減らせるかも知れません。結果はどう出てくるでしょう、抜け穴的法となってしまうか、英国人の問題意識に左右されますね。

薪ストーブを使うには、「薪の乾燥がmust!」ということ。そして、伐採後は少なくとも1年から2年は月日を経過させる必要がある。ストックする場所も必要になりますね。ストックの場所のことを考えると、都市民には、邸宅に住まう人以外には、難しそうですが、市民がうまく対応しているのか興味があるところです。

日本の事情

当然のこと、英国と日本は、気候も植生も多分に異なります。薪の乾燥について述べてきましたが、日本での薪利用の事情、薪の扱いなどの知識は普及しているのでしょうか? ググって調べて見ますと、Outdoor雑誌で有名なBE‐PALのWebサイトに、まさにその特集記事がありました*4。ポイントが良くまとまっていて助けになります。詳しく知りたい方、サイトの特集記事をご覧ください。s

*4 焚き火や薪ストーブを効率よく燃やすために大事な「薪材の乾燥」、乾燥期間はどのくらいがいい? 2021.01.01

焚き火や薪ストーブを効率よく燃やすために大事な「薪材の乾燥」、乾燥期間はどのくらいがいい?
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まとめ

端的に、「薪は乾燥させてから使え!」ー目安は1年だが、場合によっては2年ぐらい。

今回の記事から判ったことは、薪は乾燥させて、水分20%程度にまですれば、健康被害を減らせて利用可能な選択肢となりそうです。希望が持ててきました。

乾燥させることで、少毒化にすることができる。手間を掛ける必要があるのです。ボタン押下するだけで、温かいお風呂に入るという訳にはいかない。

1年前後乾燥させるということですと、薪の購入、あるいは自分での薪製作を前もって行っておき、置き場で乾燥させ、という具合に、年プランで、
伐採→細分化・薪製作→乾燥→利用を視野に入れる必要があります。時間も掛かってきますので、全般的に生活様式を検討し選択することになりそうですね。・・・ということで、今日はこのぐらいにしましょう。ごきげんよう。

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