20231208 COP28が開かれています

SDGs考

今年のCOPはアラブ首長国連邦のドバイが開催地

現在、アラブ首長国連邦でCOP28が開かれていて、今回の議長のスルタン・アル・ジャバー氏が、化石燃料使用の段階的減少で気温上昇を1.5Cに抑えようとする試みには、科学的根拠がないと言明しました*1。

*1 Cop28 president says there is ‘no science’ behind demands for phase-out of fossil fuels
Exclusive: UAE’s Sultan Al Jaber says phase-out of coal, oil and gas would take world ‘back into caves’ ;
By Damian Carrington and Ben Stockton

Cop28 president says there is ‘no science’ behind demands for phase-out of fossil fuels
Exclusive: UAE’s Sultan Al Jaber says phase-out of coal, oil and gas would take world ‘back into caves’

「COPが開催されています」というフレーズを毎年のようにテレビや新聞などで耳にします。気候のこと、地球温暖化についての会議のこと、のような意味で捉えていましたが、COPの頭文字はどのような語から来ているのだろう? そして「COPって、本当の意味は?」。今回は、このことについてまとめてみたいと思います。

“COP” は普通名詞 から固有名詞になった言葉

ウィキペディアなどを通じて、筆者が理解したのは以下の様にです。

“COP” という言葉は、 “a conference of the parties” という言葉の頭文字から由来し、「関係者たち、あるいは国々から成る会議」が一般的な意味です。関係者である世界の国々が、共通的な問題意識を持って集まるということは容易に想像できます。すると、その会議での決定事項を条約化したり、条約締約後、定期的に会議を開いて決定事項が実効的に守られ行われている状況を確認したりします。ある特定のことについて話し合うために、世界の国々が集まり会議の場を持つのですから、ある事項を表す特定の意味を持つようになり、その会議は固有名詞化するわけです。この説明、解りにくいですか?

COP1は、水俣病のことについての国際会議 !?

“COP” の起源について知ろうと、ググったりしていると、以下のような記事に遭遇しました。

“COP1” は、「水銀に関する水俣条約」the Minamata Convention on Mercury について討議するために、2017年にスイスのジュネーブで開かれました。2018、2019年には開催地は同じくして、ジュネーブでCOP2、COP3も行われました*2。

*2 https://minamataconvention.org/en/meetings/cop1

Conference of the Parties | Minamata Convention on Mercury

このCOPは、気候や地球温暖化については話し合われてはいないようです。現在行われているCOP28の系列とは違うものでありそうです。そして、この「水銀に関する水俣条約」の会議、COPは、国連の総会が設立した補助機関である 国際連合環境計画—the United Nations Environment Programme (UNEP)によって運営されています。

ところで、「水銀に関する水俣条約」は、日本で起きた「水俣病」と関係があるのか? ・・・この条約は、2013年に熊本で参加国の代表が集い署名したこともあり、熊本の水俣が経験した水銀被害に、水銀が及ぼす害悪の象徴的意味を持たせて名づけられたようです。この条約意図は、人間が放出する水銀や水銀化合物が惹き起こす汚染被害から、人間そして自然環境を守ることです*3。

*3 https://en.wikipedia.org/wiki/Minamata_Convention_on_Mercury

COP28のCOPの起源

現在開催されているCOP28に至る最初のCOP1は、1995年ドイツのベルリンで開催されています。長い名称で表せば、The first UNFCCC Conference of the Parties、 拙訳してみると「第一回UNFCCC条約締約国会議」という和名になりますでしょうか。

ではUNFCCC とは何を意味する?:the United Nations Framework Convention on Climate Change — 「国際連合気候変動枠組条約」。目的は、気候システムに人間の危険な影響を与えてしまうことを防ぐこと。この条約は、1992年リオ・デ・ジャネイロで開かれた「環境と開発に関する国連会議」—the United Nations Conference on Environment and Development (UNCED) 、この会議は別名 「地球サミット」—the Earth Summit とも呼ばれていて、会議の結果として154の国々が署名し成立となりました*4。

*4 https://en.wikipedia.org/wiki/United_Nations_Framework_Convention_on_Climate_Change

つまり、COP28の頭につくConference of the Parties (COP)とは、国連が会議を組織して、成立した「気候変動枠組条約」を基本として、条約を締約した国々が、気候変動、地球温暖化に対処するためにほぼ毎年行っているconference (会議) を意味しています。28とあるのは、今年で28回目ということです。

まとめてみると

COPとは、国際的な会議が行われる際の略称として使われることがあることが判りました。国際的な会議には様々なレベルがありますが、今回取り上げた「水銀に関する水俣条約」—the Minamata Convention on Mercury、そして「国際連合気候変動枠組条約」—the United Nations Framework Convention on Climate Changeは、いずれも国連が組織に関係していて、条約を締約する前から条約内容を討議し、そして条約に参加国が署名、その後は締約国の条約の履行状況を確認する、という過程となるので、会議が年々続くことになります。ということで、 “a conference of the parties” という普通名詞から成るフレーズ略称COPは、個別の事案が発生すると解決策を求めて会議の機会が設けられることになります。結果、個々のCOPが固有名詞化するわけです。様々なCOPがあるということが意味しているのは、私たちが生きる現代社会が取り組まなくてはならない事案が複数様々に存在しているということです。

現在ドバイで開かれているCOP28についての注目事項については、機会がありましたら、改めて考えてみます。今回はこのぐらいにして、ごきげんよう。

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