20231027 涼しくはなってきましたが・・・

SDGs考

本日は、十三夜です

月見を楽しんでおられる方もいるかもしれません。月を愛でるいい時節柄でもあります。円高であるとか、ガソリン価格が高止まりしている、一方賃金は、物価高騰に追いついていないといったことが、ニュースで報じられてはいますが、平和であることには感謝しなくてはなりません。

海外では、ウクライナとロシアの戦争、パレスチナでの惨事、その他にも騒擾が発生する可能性がある地域があります。局地的な争いが、面的に連鎖して拡大しないことを祈りたく思います。とにもかくにも、心の片隅に緊張感を持たせておいた方がよさそうです。

今年の異常気象

「今年の夏は暑かった」、と多くの方の記憶にあることと思います。35℃以上の猛暑日は記録的でした。6月から8月までの夏の間に、東京都心・千代田区では、気温35℃以上の猛暑日は22日を数えたとのことです。過去30年の平年値では4.5日であるのに、その値の5倍近くに及ぶほどです*1。

*1 「猛暑日 最多は練馬の26日 東京都内、今夏の暑さまとめ」、2023年9月7日 07時15分 東京新聞 TOKYO Web

猛暑日 最多は練馬の26日 東京都内、今夏の暑さまとめ:東京新聞 TOKYO Web
9月に入っても厳しい残暑が続く東京都内各地。気象庁の観測では、島しょ部を除く都内8地点で今夏(6~8月)、最高気温35度以上の「猛暑日...

猛暑は日本だけでのことではありません。地球全体で見ても、灼熱的な状況になっています。以下に、世界で発生した大惨事に目を向けてみましょう。

今年の夏に惨事となった事象

イギリスのガーディアン誌に、今年の夏の3ヶ月間に発生した、暑さに関する出来事を時系列でまとめた記事があります。それを基にしてその出来事を列記してみます。

The hottest summer in human history – a visual timeline;
By Jonathan Watts, Lucy Swan, Rich Cousins, Garry Blight, Harvey Symons and Paul Scruton
Fri 29 Sep 2023 08.07 BST;Last modified on Mon 2 Oct 2023 17.59 BST

The hottest summer in human history – a visual timeline
From June to August 2023, a series of extreme weather events exacerbated by climate breakdown caused death and destruction across the globe

    1)6月2日、 ハイチ・ポートプリンス :激しい雨による住宅域に洪水を惹き起こす。

    2)6月7日、 カナダ・ケベック州 :山火事、17.9m ha ーギリシャの国土に匹敵するほどの規模

    3)6月9日、イラン・北西部 :強風と雨が死傷者を出す。一方、長期に亘る旱魃、水不足に見舞われる

    4)6月20〜23日、 バルカン半島・スロベニアとクロアチア:大粒の雹(ひょう)が降り、突発的洪水発生

    5)6月28日、 南半球・南極大陸、海氷面積が減少ー減少の面積は、ほぼテキサス州の大きさ

    6)6月29日、 南アフリカ :激しい雨と風の被害で7人が死亡。後続的に竜巻が発生する。南アフリカは南半球に在る。当地の冬に起きた事件である。

    7)7月5〜16日、インド、パキスタン、:10日に及ぶサイクロン(熱帯低気圧)が豪雨と地すべりが発生、死傷者や避難民が出る。

    8)7月7日、 中国 :35℃が連続していた9日目、ツアーガイドが亡くなる。中国政府は戸外での作業を禁止する。杭州市、石家荘市では防空壕を暑さ待避所として開放した。また、エネルギー会社は、エアコンの電力需要を満たすために石炭を使用した。

    9)7月10日、 日本 :福岡、佐賀、大分で発生した線状降水帯による「経験ないほどの豪雨」であった九州北部豪雨。土砂崩れなどで死者、行方不明者が出る。

    10)7月12日、イタリア・ミラノ : 道路面表示を描く労働者が熱ストレスで死亡する。当地ヨーロッパでは、熱波に覆われており、気温は40℃以上であった。

    11)7月9日、パキスタン・ラホール :モンスーンの雨がラホールやその他の地域を襲い、6月からの死者数が76人に上る。

    12)7月15日、イスラエル:イスラエル首相・ニテンヤフ氏が脱水症状の疑いで病院に運ばれる。

    13)7月16日、中国・新疆ウイグル :新疆ウイグルのサンバオで52.2℃を記録する。この6ヶ月前には−50℃を記録していた。夏と冬とで100℃以上の差を経験していることになる。

    14)7月17日、アメリカ・カリフォルニア :カリフォルニアのデスバレーで真夜中の気温が48.9℃を記録する。

    15)7月16日、メキシコ :3月以来、酷暑が原因の死者が167人に上り、前年を数十人も超えている。長期間そして広域に及ぶ熱波が契機となっている。

    16)7月16日、アメリカ・テキサス :テキサス州の住人が、自宅のエアコンが故障していて熱中症で死亡する。長くに続くいていて、フロリダからカリフォルニアに及んだ、熱波が2,300の気温の記録を塗り替え、何十もの人命を奪う。

    17)7月16日、アルジェリア、:記録的熱波の中、気温が50℃以上となり、午前10時以降の外での活動はできなくなるほどとなる。約50人が通りで倒れ病院に運ばれる。

    18)7月17日、アメリカ北東部、 :数日の激しい雨の後、突発的な洪水flash floods が発生。ペンシルバニアやニューヨークでは死者が出るほどで、停電や約1,500 の航空便がキャンセルとなる。

    19)7月17日、スペイン :スペインのいくつかの地域では、熱波と記録的気温で作物に被害が及び、収穫平均量の3分の1以上下回る予想となっている。ちなみに、カタロニアでは、最高気温45.3℃を記録した。

    20)7月18日、イタリア :医療機関が緊急体制を敷いて熱ストレスに関する患者に対処する。ローマでは、41.8℃を、サルディニアでは45℃を記録した。

    21)7月23日、ギリシャ、 :ロードス島一帯に山火事が広がり、島にいた2万人以上の人々は退去させられる。アテネもとても暑いので、当局はアクロポリスを閉鎖した。

    22)7月24日、イタリア北部、 :デルタ航空が雹の被害を受け、ローマに緊急着陸。イタリア北部にはスパーセル(竜巻を発生させ得る巨大積乱雲)があった。

    23)7月26日、韓国 :記録的モンスーンシーズンの豪雨で47人が死亡。

    24)7月26〜30日、中国・北部 :北京で洪水発生、44人の死者を出す。中国北部では、1年の降雨量が1週間で降るほどで、数十人の死者をもたらす。

    25)7月30日、ロシア連邦・マリ‐エル共和国 :嵐による倒木がテントを直撃し、8人のキャンパーが死亡、27人が負傷する。

    26)8月5日、チリ・アンデス山脈 :奇妙な冬を記録。南アメリカ、アンデス山脈で37℃以上の気温を記録。

    27)8月6日、スロベニア;ジョージア :スロベニア、1ヶ月の降雨量が24時間で降り、死者が出る。ジョージアでは、地すべりがあり19人の死者が出る。

    28)8月8日、ハワイ・マウイ島 :例年より乾燥していた状況が、発火しやすい状況をつくっていた。植生がサトウキビのプランテーションや外来種の植生になっていたことも火事が広がりやすい下地となる。制御不能となった火事は100人近い人命を奪った。

    29)8月8日、ネパール、:モンスーン期の地すべりや洪水で38人の人命を奪った。家屋倒壊、幹線道路は遮断される。

    30)8月28日、ギリシャ :ロードス島以外の地域でも山火事に見舞われたギリシャ。その数は数十に上り、記録を取るようになってからEUにおける最大な山火事で、犠牲者は21人を数えた。子供2人を含む死体がダディア国立公園が発見された。

    31) 8月23日、アメリカ・アリゾナ、 :記録的熱波が襲っている時分に死体安置所の場所が満杯になる。1週間で熱波関連死は44人を記録。前月、フェニックスでは43.3℃を31日間連続で記録した。以前1974年の17日連続の記録を凌駕する。

    32) 8月22日、アメリカ・ネバダ、 :熱帯低気圧ヒラリーが、過去の降雨量記録を2倍以上も上回る。アイダホ、モンタナ、オレゴン州でも新記録を打ち立てる。ネバダを襲う前には、メキシコで被害を及ぼし1人の人命を奪い、カリフォルニアでを洪水を惹き起こした。

    33) 8月28−30日、タジキスタン :中央アジア・タジキスタンの首都ドゥシャンベ近くでの3日にわたる豪雨が、洪水、地すべり、濁流を惹き起こす。少なくとも21人の死者が数えられている。

    34)8月30日、アメリカ・エル・パッソ :メキシコからアメリカへ移民を希望する人たちの死者数が136人に及んだ。この数値は前年度の約2倍。アメリカとの国境のメキシコ側で、十分な飲料や食事なく待機し、越境するタイミングを砂漠で待つことを酷暑の環境であることが増加の原因。

と以上が、気象学や気候学で言う、夏(6月〜8月)で起きた地球温暖化に関する大惨事である。が、現在進行形的に惨事は、夏以降も続いている。

    35) 9月5日、ブラジル・リオ‐グラデ‐ド‐スル :ウルグアイと南西で隣る当地をサイクロン ( extratropical cyclone ) が襲う。31人の人命を奪い、1,600人以上の家屋を倒壊させた。天候に関する事件では、死者数最悪の事態。

    36)9月8日、中国・香港 :中国南部を襲った台風ハイクイが、140年の中で最も強い豪雨を降らせ、2人の死者と100人以上の負傷者をもたらした。

    37)9月9〜11日、リビア :今年の最も人命を奪った気象的事件といえば、これだろう。リビアの沿岸にある都市ダルナで発生した洪水である。この事件で11,300人の人命が失われた。記録的な降雨がダム決壊に繋がった。その雨は、ダルナの9月1ヶ月に降る雨の200倍以上もの雨であった。

このように列記してみますと、世界の至る所、世界の全ての大陸で災害が発生していることが判ります。ここで、災害を大雑把に分類してみます。

    雨に関する事件:1), 3), 6), 7), 9), 11), 18), 23), 24), 27), 29), 32), 33), 35), 36), 37) —16
    熱波、酷暑に関する事件:8), 10), 12), 13), 14), 15), 16), 17), 19), 20), 26), 31), 34) —13
    山火事に関する事件:2), 21), 28), 30) —4
    雹(ひょう)に関する事件:4), 22) —2

この記事に基づいて主要な分類をしてみると、「雨に関する事件」が最も多いことが判ります。次に「熱波、酷暑に関する事件」です。両者には相関性があります。前者は、「竜巻」、「サイクロン」、「台風」などの一連の事件として発生しているのが一つの特徴をなしています。基本にあるのは、「低気圧」の異常発達と言えそうです。熱波によって熱せられて高温となった大気の塊と、相対的に低温の大気とが交錯し、大気温を安定化させようと渦状になり、混合させることで、大気の状態を安定化させるために運動が激しくなる現象が多発している、ということでしょう。その過程で、高温の大気の塊は極度に熱くなっているので、混合する渦の力が凶暴化するほどになっている、世に言う「災害の激甚化」する環境に私たち人類は生きている、と筆者・管理人は理解しています。

災害的事件を区分けしてみましたが、それらの事件は連関しながら発生しています。詳細なデータは参照にしていませんが、山火事の拡散の前段には、熱波の現象があり、そうした下地に、人間にとって利便性を図ったり、経済効果を求めて在来の植生を伐採し、農産物の収穫を求めて環境を変えてしまったりしたことが、災害からくる被害度を助長しています。

で、どうしましょうか?

こういう状況を知って悲観的になってしまいますか? 確かに、筆者も無力感はありますが、自然が警鐘を鳴らしているのであるから、それに耳を傾けることから始めるということでしょう。

「熱波、酷暑に関する」自然災害を減じるには、やはり、CO2の排出が異常気象の一原因であるでしょう。ですから筆者は、自作のコンポスターを利用して、生ゴミをハラの森で処理して、行政のゴミ収集サービスを利用することを控える。次に、必須的な用事がない限り、乗用車は利用せず、徒歩や自転車あるいは公共交通機関を利用する、といったことを行っているだけですが、それほど面倒くさくありません。楽しい側面も結構あります。

上記のようなことは、市民各人の小さな環境活動であります。大きなCO2排出部門に処方を施すとすると、政府が行っている政策や経済団体による活動を注視することも必要になってきます。

それでも基本は、市民各人の小さな環境活動から。その各人の活動が連係してくると状況変化をもたらす力になり得ると、考える筆者であります。みなさま、ごきげんよう。

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