20240209 プラスチックは取扱注意

SDGs考

はじめに

「ガラスびん浄水器」の記事、そして先日の「ポイ捨てゴミについて」の記事の中で、プラスチックごみのことに触れました。唐突ですが、読者の方々が利用されている駅には、ゴミ箱がございますか? ハラの森管理人である筆者が利用する駅の改札、そしてプラットホームのゴミ箱が近年撤去されました。撤去される前は、ウィークデーの21時ぐらいになると、改札にあるゴミ箱が ”氾濫” している感がありました。通勤者、通学者たちは改札を出る前に、菓子の包装、ストローがささった容器をコンビニ袋に入れ、ゴミ箱の口に「置いて」いくのです。ゴミ箱の受口はゴミが溢れるほどの状態なので、受口に入れて、下に落とすことができないので、とび出したゴミの上にゴミを置く、ということになるわけです。ゴミ箱を撤去するに至ったのは、こうした状況から管理不可能との判断となったのでしょう。

また、コンビニ袋のようなプラスチック袋にごみを詰め込んで、うず高く積んでいる資材置場があったりします。プラスチック袋はごみをまとめるのに便利ですから、このように安易に使われていますが、意外にも手に負えない側面があるので取扱要注意です。

プラスチックの原料

2021年スリランカのコロンボ沖で The X-Press Pearl というコンテナ船が火事を起こし沈んだ事件がありました。スリランカの「最悪の海難事故」と国連(UN:United Nations)が銘打ったほどです。重油の流出や硝酸や苛性ソーダの搭載物資のそれ以上に、国連が「最悪」と恐れたのは、1cm に満たないレンズ豆の大きさのナードル (nurdles) 、つまりプラスチックの粒つぶです。ポリエチレンやポリプロピレンの原料です。いわゆるポリ袋の素材です。これが入っていた87のコンテナがスリランカ・コロンボ沖で海にばら撒かれてしまったのです。インドネシアやマレーシアから、西はアフリカのソマリアにまでナードルの漂着が見込まれています*1。

*1 Nurdles: the worst toxic waste you’ve probably never heard of, by Karen McVeigh;

Nurdles: the worst toxic waste you’ve probably never heard of
Billions of these tiny plastic pellets are floating in the ocean, causing as much damage as oil spills, yet they are still not classified as hazardous

なぜナードルは「最悪」の事件とされるのか

読者の方にも察しはつくかと思いますか、このナードル、プラスチックの粒ですから、魚が餌と間違えて摂取してしまいます。前掲したガーディアン紙の記事の中に死んだ魚の口を開いた写真があります。ナードルの惨事が食物連鎖によって海洋生物全体に影響が及ぶことは想像できますね。そして、人間は最終的に捕食する存在となるのでナードル被害の影響から免れません。実際、スリランカ人のタンパク源の40%は魚であったので、今回の事故によって、漁業のみならず国民生活全体に大打撃となっているとのことです*2。

今回の事故とは別に、23万トンのナードルが海洋に毎年流れ込むと言います*3。海中は、かなり不快な状況になっているのではないでしょうか。地上で類似した事態を想像してみるに、私たちが外を歩いていて鼻や耳、目の中に5 mm 前後のプラスチックの粒が入ってきたら、「うざったいなーっ!」とイラつくこと間違いなしです。花粉症の比じゃないですね、季節関係なく年中空気中に漂っていることになるわけですから。

*2 前掲、by Karen McVeigh

*3 前掲、by Karen McVeigh

ナードルやマイクロプラスチックは、伝染病の運び屋的機能をする

ナードルは、海中にあることもあるでしょうが、水面にぷかぷかと浮くようにしてもあるわけです。プラスチック製品がごみとなり、微細化してマイクロプラスチックとなって海に流れ着いたものも同様です。多くの有毒性物質は、水と反応しにくい疎水的な性質を持つので、ナードルやマイクロプラスチックが海面上にぷかぷかと浮いているのに付着して海洋を漂流するわけです。有毒性物質の具体例には、大腸菌やコレラのような害を及ぼす微生物が挙げられます。このことを記事の中では、”plastic rafting” :「プラスチック筏」と表現し、この現象が増加していると述べています*4。伝染病を拡散する可能性があるということです。

*4 前掲、by Karen McVeigh

さいごに

今回は、プラスチックの原料素材について、そしてその厄介な側面について述べました。原料素材の流出事故などは、一般の市民にとっては、対策の施しようがないということかもしれません。しかし、河川、湖沼そして海で起きていることを認識することは必須のことでしょう。自然の恵みで生きながらえることができるわけですから。問題は大きく深い対象ですが、魚の切り身や刺身、鳥肉にナードルが入っていたら、「うぇっ」となりますよね。彼らの生息環境はそんな状況にあるということを想像することが、まず肝要のように思えてなりません。

ということで、今回はこのぐらいで、ごきげんよう。

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